「あたしたち、幼なじみなの。」
「あたしたちって……?」
「陸と陽介とあたし。」
………知らなかった。
小さい頃から、お互い知っていたんだ。
………あたしが、かなうわけないんだ。
こんなにきれいで、優しくて、
小さい頃から川村先輩を知っていて、
話したことも少ないあたしが、かなうわけがないんだ。
「それでねっ、………みいちゃん?」
もう、泣かないって決めたのに。
もう、泣いたりしないって決めたのに。
「あっ、あの、あたし用があるので、帰ります!」
「ちょっと、みいちゃん?」
あたしは、部室を飛び出した。

