終業のチャイムがなる。 最近、梨子も学園祭の準備で何かと忙しいみたいで、一緒に帰れない。 今日もあたしはひとり。 玄関を出ると、梅雨上がりの真っ青な空が広がっていた。 あたしは、ゆっくりと歩きだす。 すると、いきなり後ろから暖かいものがあたしを包んだ。 後ろを振り返ってみると、 陽介だった。