「あら、あらぁ?」


父さんと一緒に重たいトランクをリビングまで運ぶと、未有に抱きつかれたまま母さんがやたら黄色い声を上げて喜んでいる。


なんだ……?

不思議に思って、おれもリビングを覗くと……。


「あっ!」


そうだっ、すっかり忘れてたけど今――。


「こんにちは、お邪魔しています」


……凛が来てたんだった。

うわー、どうしよう。


普通、保育園の先生が一家庭の家にいるなんて不自然にもほどがあるよな!?

さすがの母さんも変に思うはず……!

って、思ったのに。


「あらぁ、凛先生!
どうなさったの?家庭訪問?」


いや、保育園には家庭訪問はないだろ!

やっぱり、母さんは母さんか……。