「…………」

 父親に手を引かれて歩いていく。


 一本道


 くねくね、蛇行している道。
 見晴らしがいいのは、周りに何も無いから。

 ワタシも父も、後ろを付いて来る人達も、
 みんな黒い服を着ている。

 つづく道の先には、建物が見える。

(何の建物だろう?)

 ワタシは何も知らない。
 ただ、父親に手を引かれて、歩いていくだけ。

(何があるんだろう?)

 くねくね蛇行しながら、歩いていく。



 着いたそこには人がいて、父が何か話て、それから導かれて奥に入る。
 でも、付いて来た全員ではなかった。


「…………」

 通されたのは、少しクサい場所。

 何か、会話して、壁の引き手を引き、出した。

 長くて、重そうなのを引き出して、黒いような白いようなモノが乗ってる。

 ワタシにはわからない。

 その長いのを挟んだ向かいの人が、泣いてる。

 よく、わからない。

 深い器と長い箸を渡されて、父が何か言って、
 父に促されるまま、一緒に箸を持って、その、白い棒のようなモノを挟み、器に入れる。

 よく、わからない…。

 その後は、外にいるように言われて、
 外で父親達を待った。


「…………」

懐かしい夢を見た。


いまだにワタシには、
アレが、なんだったのか……


よく、わかっていない。