ボクは恋をした
 一目惚れだった

 小学3年の読書の時間
 みんながファーブルとかシートンとかずっこけを読んでる時
 読みたい本が見つからないボクは
 図書準備室に入ったんだ

 図書室に置き切れない古い本とか処理されてない本の中に
 あの本を見つけた

 ギリシャ神話

 そう書かれた本を取った
 単純にタイトルに惹かれただけ

 ぺらぺらめくってると挿絵を見つけた
 ボクはその挿絵に釘付けになった

 妖艶な美女の絵だった

 ああゆう時、本当に動けなくなるのをボクは知った
 その美女が気になってもう少しめくると
 その美女と対峙する男の絵があった
 その二人の周りには石になってるような人達がたくさんいて
 それでボクはやっと気が付いた

 美女の髪はヘビだった

 ページを戻してよく見ると
 やはり髪がヘビ
 名前がどうしても知りたくて読むと

 メデューサ

 そう書かれていた
 読んでいくと、美女は魔女で目を見ると石になってしまうと言う

 こんなキレイな人が魔女…

 衝撃だった
 そのまま読んでいくと、メデューサはその男にやられてしまう

 ありえない

 ボクはその男を憎んだ
 だけど今思うと
 彼女には怖さがあった
 それにそれなりの年増だった

 妖艶とゆうのはそうゆうモノなんだろう

 そのあと先生に見つかって図書準備室から追い出されてしまったが
 今でもボクは忘れていない

 あの美しい人を

 今でもまだ
 ボクの胸を焦がしている


 あの美しい瞳を