────
──
ザワザワと急に風が強くなった。
真っ暗に近い紺色の空に、星がたくさん出ている。
今日は、ついてるらしい。
満月の明かりが、薄暗く不気味な森の中を明るく照らした。
僕は迷わず森の中に足を踏み入れた。
怖くないと言えば嘘になる。けど、戻りたいとも思わない。
そんなことを考えながら、進む森の中は不思議なほど静かで、汚れた空気も、誰かの悪口も
くだらない争いも全てがちっぽけに思えてしまう。
そして、汚れ傷ついた僕の心までも、小さく思えた…。
──月が雲に隠れ、再び森を闇が包み込む。
それでも僕は歩き続けた。
誰もいない 誰も知らない場所へ行きたかった。
僕を罵倒する奴らがいない場所へ逃げたかった。
それが言い訳だとも知ってる。
負け犬だと言われればそうかもしれない。
それほど、人に自分に嫌気がさしてたんだ。
────
──…
あれからどのくらい歩き、どれくらいの時間が経っただろう?
雲に隠れた満月が再び森を照らす中、一本の大きな切り株を見つけた。
『誰が切ったんだろう?』
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ザワザワと急に風が強くなった。
真っ暗に近い紺色の空に、星がたくさん出ている。
今日は、ついてるらしい。
満月の明かりが、薄暗く不気味な森の中を明るく照らした。
僕は迷わず森の中に足を踏み入れた。
怖くないと言えば嘘になる。けど、戻りたいとも思わない。
そんなことを考えながら、進む森の中は不思議なほど静かで、汚れた空気も、誰かの悪口も
くだらない争いも全てがちっぽけに思えてしまう。
そして、汚れ傷ついた僕の心までも、小さく思えた…。
──月が雲に隠れ、再び森を闇が包み込む。
それでも僕は歩き続けた。
誰もいない 誰も知らない場所へ行きたかった。
僕を罵倒する奴らがいない場所へ逃げたかった。
それが言い訳だとも知ってる。
負け犬だと言われればそうかもしれない。
それほど、人に自分に嫌気がさしてたんだ。
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──…
あれからどのくらい歩き、どれくらいの時間が経っただろう?
雲に隠れた満月が再び森を照らす中、一本の大きな切り株を見つけた。
『誰が切ったんだろう?』


