琉歌は誰を思いこの歌を唄ってるのだろう?
急にそんなことを聞きたくなった。
聞いてどうするわけでもない。
ただ、気になった…


6分程の歌を歌い終わると、琉歌は「ふぅ」と息を吐き再び切り株に腰掛けた。


「やっぱり綺麗な音色ですね。
あの日路地裏で弾いてたものとは全然違う。
澄んだ音色。」


『お前、歌うまいんだな。』


素人のような感想を言うと、暇になった右手で*アルペジオを弾いた。


「唄うたいですから。」


ニッコリ笑う琉歌は、楽しそうな顔をしていた。
さっきまで怯えていたとは思えない程に、リラックスしていた。


『琉歌は歌が好きなんだな。』