へたくそなギター弾き

母さんに聞いた話では、昔から心臓が弱く激しい運動は止められいたらしい。
何回も発作的な事があったらしいけど、僕は全く知らなかった。
それも父さんに口止めされていたんだとか…
バレないよう必死に隠していた事も聞かされた。


俺は父さんの葬儀で弾き語りをした。
父さんを思いながら、父さんに聞かせるためだけに…。
昔よく歌ってくれたエリック・クラプトンのTears in heavenを弾いた。


母さんはその音色を聞いて泣いてた。
俺はそれを横目に淡々と曲を奏で続けた。
ギターは父さんが病室で言っていた通り、倒れたその日弾いていたギターをもらうことにした。


悲しくないのかと聞かれれば、それも微妙で…
まだ父さんが死んだことを受け入れられずにいる。