「あそこに登る。」
「へー・・・頑張って!」
「アホか。お前もや。」



なぜいきなり呼び出され、その上木に登れと言われ、しかも拒否権まったくなしで、これはもしかして・・・新種のイジメですか!?

嫌がらせか何かですか!?


「無理無理!あんなの簡単に折れちゃうって!」
「大丈夫や。エイジでも乗れるんやから。・・・お前とエイジどっちが軽いん?」
「あたしに決まってんじゃん!」


リキにパンチをお見舞いしようとしたら、軽々避けられて、腕を掴まれた。

“手貸したるから”と言ってそのまま木に向かって歩き出したリキを止める。





「ごめん、無理だ。…ブーツだから。」



登ってみたいという気持ちはあった。

だけどさっきから足は痛くなるばかりだし、ほんとどうしてこんなの履いてるんだろう。

あたしの言葉を聞いたリキの表情は途端に不機嫌そうになって、瞳は悲しそうに揺れた。




「リキ、…ごめ「やから東京モンわ、嫌やねん。」





なに………それ。

東京モンは嫌ですって?