いつの間にかベッドの上で膝を抱えて泣いていたあたしは、ふわりと温かいものに包まれた。
分かり切ってることだけど、この香りは耕太しかいない。
「遅い」
「……うん、分かってる……」
「俺のことなんて、どうでもいいわけ?」
「……ううん。そんなことない……」
優しく抱きしめてくれる耕太の背中に、おそるおそる手を回す。
「一応、俺にだって限界ってもんがあるんだけど」
「……え?」
「何も聞かずに押し倒されたくねえだろ? ……リビング行くぞ」
そう言ってそのままあたしを抱き上げ「おも」と呟いた。
「だったら降ろせば――」
「うるさい」
ぴしゃりとあたしの言葉を遮った耕太はドアを足で開け、あたしを抱き上げたままソファーに腰を下ろした。
耕太の隣に移ろうと、身体に力を入れてみるもののがっちりと腰が固定されていて動かない。
さ、さすがにこの体勢は恥ずかしいんですけどっ。
耕太の膝の上に乗り、それを跨いで耕太と合い向かいっていうのはちょっと………。

