ラスト プリンス



「あっ、そうそう! こないだのアレ、メールに添付してパソコンに送っといたから」

 ……アレってなんだよ。アレって。

 言ってることが理解出来なかった俺は、カイに視線を遣るが、すでにまだ見ぬ子のためのデザインに忙しいらしく、気付こうともしない。

 わざとらしく大きなため息をついて、マウスを動かし受信BOXをクリックする。

 同じような流れで、コーヒーを一口飲みながら、添付された画像――写真を開いた。

 それは、あいつが初めて俺の仕事を手伝った時つくった、ガーベラで出来たブーケの写真。

 ムカつくけど、今までのブーケでも上の方だと思う。

 たぶん、カイが想像していたのとほぼ100%に近い、花の形に色だった。

 あの時、俺の頭ん中ではコスモスしか出てこなくて。 だから、こいつに出来るわけない、って思ってたから、余計に。

 それから、たまに(っていうかだいたい)ブーケの花選びは梨海に任せてた。

 毎回毎回、俺たちが知らないような花を印刷して出してきたり。

 驚いたし、凄いとも思った。

 女だからって花に詳しいとか、絶対ありえねぇ話。 でも、梨海は知ってる。