この長机とパイプイスが並ぶ使い道の分からないこの部屋は、机とイス以外なにもなく殺風景。
カチャリと開いたドアから、明らかに不機嫌そうな耕太が現れた。
「ホント、迷惑」
ドアを背中で閉め、そのままの状態で腕を組みあたしを睨む耕太。
別に睨まなくったっていいじゃない。
「………だってっ」
「泣くなよ、めんどくせぇ」
ぐっと唇を噛み締めたあたしを見てたのか、ため息をつく耕太は、あたしを抱き上げ長机の上に乗せた。
いいから落ち着け、とでも言うるかのように、耕太は優しく抱きしめ背中を撫でる。
「ねぇ、耕太」と口を開いたあたし。
「どうして、自分が悪いみたいに仕向けるの?」
「別に仕向けてるわけじゃない。 ただ、店員にはそう思われてるみたいだけどな」
「じゃあ、何で耕太がやったことがカイさんがやったことにするの?」
耕太の胸を押して体を離し、視線を合わせれば、ふっと柔らかい表情であたしの髪の毛を撫でる。
………猫になった気分よ。

