「汐香、ありがと。」



いつも、汐香には助けて貰ってばかりだ…。



「いいえ、」



チャイムが勢い良く、鳴った。



私は、汐香の方に、傾いていた椅子を、元の位置へと戻した。



"失恋を素直に認める事も大切"か…。



私は、自分に決意した。



"失恋から逃げない事を"



汐香の言った通り、強がりなのかもしれない。



だけど、強がっても良いんだ。



"自分自身が強くなる為に"


そう、考えてると涙も、すっかり引いていた−…。