不器用なボク~先生と生徒の関係~

そのスポットライトに照らされる事はない。


それは当たり前か。


僕から壁を作ってクラスメート達から距離を置いているんだから。


友情だとか、信頼だとかという言葉が僕は嫌いだ。


それらは少し歪みが発生してしまうと、あっさり崩れて形を無くす。


目の前の席に座っている女生徒が良い例だ。


先週までは、仲の良い友達が彼女の席に集まってガヤガヤとウルサい雑音を発していたのに、何があったのか彼女の席にはもう誰も集まりはしない。


所詮、友情だとかってのは上辺だけの浅いモノでしか過ぎない。


まっ、僕には関係のない事だけど、静かになった分だけいいか。


頬杖をつきながら、賑やかでウルサい雑音を発するクラスメート達を冷ややかな目で見ていると



ガラガラと小さな音を立て、前の教室の白い扉が開いた。


その瞬間、生徒達は慌てて自分の席へと戻っていく。


それと同時に僕の胸は、心臓は、少しずつ早打ちしていった。