帰りは駅まで送ってもらった。

家まで送ってもらうのは気が引けたし、それにやっぱりどこか警戒してたから。


「本当にいいの?」


「いいよ。ありがとう。
ってかソレ、あたしが聞きたい。」


「何を?」


「“本当にいいの”?」


するとソータはちょっと笑った。
本当に少しだけ。


「またメールしてくれればいい。」


「わかった。
ソータからもメールしてよね。」


「じゃあ気を付けて。」


「うん。またね。」


それでソータの車がどんどん小さくなるのを見ていた。
後とかつけられたら怖いし。

ってかどんだけ警戒してるんだよ、自分。


少し笑えた。

こんなに警戒してるのに、こころのどこかでは安心してた。




外は凄く寒くて、でもソータのくれたマフラーは暖かかった。