ゆらりと立ち上がり男を静かに見つめるその瞳に憂いを湛える。

「もう……以前のお前には戻らないのだな」

「無理だな」

「処で」

 鼻で笑った男から視線を外し、話を切り替えるように口を開いた。

「私に女性の対処をさせると聞いたが本当なのかね」

「そんな事が気になるのか?」

「苦手なのだ」

 当惑しているベリルに口の端を吊り上げて応える。

「心配するなよ。いつも通りにしていれば勝手に向こうから惚れてくれる」

「! ほう?」

 マーガレットに訪ねるような顔を向けると彼女は肩をすくめた。