「……」

「まだ待てと言うなら女の腕を切り落とす」

「! それって酷くない!?」

「嫌なら奴を説得しろ」

 男は女の首に刃を向けてベリルを見据えた。

 彼はそんな男に深い溜息を吐き出す。

「仲間が敵になるのは悲しい事だ。私に語ってくれたお前の信念はどこに行ったのだ」

「ハッ! そんなもので何が手に入る。傷ついてボロボロになって手にするのは、はした金だ」

 肩をすくめて薄笑いを浮かべ発した男に、ベリルは鋭い眼差しを向けた。