マニア・タイフーン

 灰色に統べられた広い部屋に違和感なく設けられた鉄格子の内側で黄金に飾られたエメラルドが憎らしげに男を見つめる。

「だ……ダメよ」

「しばらく……時間をもらいたい」

「心の準備が必要か。いいだろう」

 目を伏せるベリルを見て彼女を突き放すと崩れるように倒れ込んだ。

「大丈夫か」

 しゃがみ込み眉をひそめる彼女に声をかける。

「こ、これくらい平気よ」