マニア・タイフーン

「どうした。もう終わりか?」

「……アーヴィング」

 男を見上げて苦い顔をしたベリルを冷たく見下ろし、一緒に来た他の男たちに手を挙げて指示すると、男2人はマーガレットに歩み寄った。

「! よせ」

「まだお前の了解を取っていないのでな」

 彼女まで連れて行かれるのは予定外だ──いや、あって当然のことだった。その事を見落としていたのだ。

「……」

 ベリルは唇を噛みしめ、麻酔銃を突きつけているアーヴィングを睨み付けた。

「っ!」

 麻酔銃から鈍い音が響き彼の胸に麻酔針が突き刺さる。

 痛みを示す表情からしばらくすると眠気に襲われはじめ、ゆっくりと地面に体を横たえた。

 完全に眠ったことを確認し男はベリルを抱えて乗ってきた車に向かう。