ようやく気付いたか……銃(ハンドガン)を握りしめる彼女の表情にベリルは目を細め小さく溜息を吐く。

 そしてカーティスと別れて車を走らせていると携帯が鳴った。

 相手はもちろん……

<決まったか>

「うむ」

 数秒の沈黙のあと口を開く。

「もうしばらく考えさせてはくれないだろうか」

<そうか。いつまでもそんな態度でいられると思うな>

 しれっと応えた彼の言葉に強い反応を示さず、男は低く発して通話を切った。

「あんた……四六時中そんな態度なワケ?」

 彼女は眉間にしわを寄せて薄笑いを浮かべている彼を見つめる。