とにかく早々に引き上げよう。

翌日──ベリルはホテルをチェックアウトしてホテルから出る。

「……」

「ハァイ」

 マーガレットが笑顔でベリルに手を振った。

「タクシー呼んでおいてあげたわよ」

 それを無視して歩き出す。

「あ! ちょっと待ってよ!」

 パーキングに入り、オレンジレッドのピックアップトラックに乗り込んだ。

「……」

 助手席に勝手に乗り込んだ女性に眉をひそめる。

「降りろ」

「折角タクシー呼んだのに車があるならそう言ってよ」

「……」

 いつ言えたそんな事……しばらく女の顔を見て女を蹴り出した。

「キャッ!? あんっ、もうっ酷いじゃない!」

 車は颯爽と走り去った。