<ベリルは俺の師匠だよ。育ての親はクリア・セシエルだけどね>

「ええっ!? あの『流浪の天使』と呼ばれたハンターの?」

<セシエルとベリルは親友だったのさ>

 確認するようにベリルの顔を見ると、小さく肩をすくめて笑みを浮かべた。

<とりあえずこっちはルカと連携してサポートさせてもらうよ。何かあったらいつでも連絡して来てくれ>

「頼む」

 電話を切り、舗装されていない1本道をひたすらに走る。

「!」

 バックミラーに2台の車が映り眉をひそめた。

 雰囲気からしてこちらに用事があるようだ。

「しっかり掴まっていろ」

 薄笑いを浮かべて発した。

「え?」

 聞き返したとたん、後ろにいた車がピックアップトラックの両側に並ぶ。