「!」

 遠くにいたカーティスが慌てた顔で何か合図している。

 しばらく意味が解らなかったが彼の動作にピンと来た。

 まさか……

「私に何か用かね」

「あなたベリルでしょ? 私マーガレット。ヨロシク」

「!?」

 やっぱりか!?

「!? ちょっ……!? 待ってよ!」

 私の事を聞いたわね!

 女性は必死でベリルを追いかけたが男の足に追いつけるハズもなく、見る間に遠ざかる後ろ姿を諦めて見送った。

「……もぅ!」

 悔しさに地団駄を踏んだ。