「オトリになるってこと!? ウソでしょっ!?」

 声を張り上げた彼女に車を路肩に駐め、静かに口を開く。

「そこでだ」

「な、なに?」

 ハンドルに腕を乗せ視線を向ける。

 そして──

「いくら払う」

「! お金取る気!?」

「これが仕事なのでね」

「信じられない……」

 目を丸くしている彼女を黙って見つめた。

「払わない……って言ったら?」

 恐る恐る問いかける。