「これは……アーヴィングか」

 映し出された人物に目を細めた。

 灰色の短髪に深い海の色をした瞳、40歳ほどの体格の良い迷彩服の男だ。

「そうよ。あなたの前に会ってきた傭兵」

 マーガレットは自慢げに鼻を鳴らす。

「彼はあなたと違って紳士だったわ。快く私を側にいさせてくれたの」

「……」

 聞いているのかいないのか、さしたる表情の変化も彼女に目を向ける事もなく画像を流していく。

「!」

 1枚の画像に目がとまった。

「これは?」

「え?」

 言われた画像に目をこらす。

「ああ、これね。別れたあとにあと1枚欲しいなって思って戻って撮ったの。誰かと話してたから邪魔するのも悪いと思って遠くから黙って撮ったわ。これがどうしたの?」

「……」

 画像をじっと見つめる。