「軽い仕事なら満足しませんから」

 表情で気づかれたのかマーガレットがオレンジジュースを傾けながらしれっと応えた。

「……」

<おーい。どうした?>

「軽い仕事は満足しないそうだ」

<なんだって? そりゃ頑張れよ>

 携帯を切って片肘を突きカップに口を付けた。

「いつまでくっついてるつもりかね」

「あなたの戦いが見られるまで」

「それは望めない状況下だ」

「中には物好きがいるわよ」

 それまで仕事をせずにいろというのか……なんという勝手な奴なのだ。

 ここまで傍若無人な人間に出会ったのは初めてだ。