「ね、あなたの愛用してるハンドガンってどんなの?」

「!」

 本当にめげない女性だと半ば感心した。

「P226だ」

「スイス製ね」

 眉をひそめている彼に気付いて発する。

「大丈夫よ、メモったりしないから」

「なら良いが。!」

 バックポケットの携帯が振動して通話ボタンを押した。

「なんだ」

<お前、傭兵マニアにタゲられたって?>

 傭兵仲間のマイクだ。

「うむ……」

 もう広まっている……

<適当に軽い仕事すりゃ離れてくれるからよ。そういう仕事探してやろうか?>

 それを聞いて、表情が明るくなる。