とにかくこのままでは仕事にありつけない……ベリルは思案していた。

 目の前で唸っているこの女を、どうにかしなくては。

 2人はそれぞれお互いが牽制し合っていた。

 どちらも相容れない思惑である以上、歩み寄りなど到底無理である。

「2杯目よ、コーヒー好きなの?」

 再びコーヒーを注文した彼に口を開いた。

「お前のおかげでする事がなくてね」

「……」

 無表情に嫌味を込めた物言いの彼を数秒見つめる。

「じゃあ私はオレンジジュース」

「……」

 嫌味もスルーしおったか……喉の奥で舌打ちした。