二人で、店をこっそり抜け出し、俺の行きつけの飲み屋に行く。

「らっしゃい!

何だ。章夫かぁ。

また今日は綺麗な彼女連れちゃってぇ。いけない男だなぁ、お前は。」

「るせぇ。奥の個室空いてるよな?」

「まぁ、空いてるけど?」

この失礼な男は、この店の主で、長谷部隆。

一応、俺の幼なじみだ。

俺が、芸人になって、食えない時からよく、店に誘ってくれては、何か食わせてもらってる。

口を開けば、可愛くないが、人はいいのが、コイツのうりだ。