「終わった~っ」
椅子に座りながら腕を伸ばすとパキパキと気持ちいいくらい音がした。
と、ふとスーツにしまった指輪のことを思い出した。
「あ…指輪。安奈、明日、出勤するかな…でも、早く返さないと何か嫌だし…」

悩みながら会社を出て、電車に乗り込み一人暮らしのマンションに帰って、
ソファーになだれ込んだ瞬間、ひらめいた。
「そっか!!速達で送ればいいんじゃない!あ、普通に送っただけじゃダメか…」
っと悩んだ挙句、会社名で送ることにした。
指輪だけじゃあまりにもそっけなく思えて、先日のコンサートの感想も添えてダンボールにクッション代わりのプチプチを詰めて指輪は家にあった指輪のケースに入れて梱包。

財布と携帯を手にダンボールを抱えて家のすぐ近くのコンビニへ向かった。
「速達でお願いします!出来れば明日、昼までにはっ。」
コンビニの店員さんが圧倒するような勢いで頼み込み、無事発送。
これで一安心。