それから一週間後
なんとか授業にも慣れて、教室の場所なども覚えてきた
この広さにも徐々に違和感を感じなくなってきてる
「おい、さっさと歩け。邪魔だ」
「…!…うるさいなぁ」
陽介くんとはクラスが隣だけあって、廊下でしょっちゅう会ってしまう
それ以外、大学内で会うとこはないけれど、会う度このさまだ
「あら、凜ちゃん。ごきげんよう♪」
「ど、どーも…」
「陽介、なんで貴方にだけあんなに厳しいのかしら。可愛そうに。ま、私はいつも優しくしてもらってるから貴方の気持ちは分からないけど。あ、もう時間がないわ。それじゃ失礼♪」
「………」
"陽介〜!待ってぇ♪"
そう言いながら小走りで去る中西さんを、私は無表情で見送る…
中西さんとも会う度こんな感じだ。
この時、気分はいつも下がる
できれば話し掛けてほしくないんだけどなぁ…
いつもなら、ここで私は肩を落とすのだが……
今日は違った。
「ナナ〜!!」
笑顔で近寄ってくる香留を私も笑顔で待った
「あぁ待ちに待ったこの日がとうとうきたよ〜。S大か…夢みたい!」
目を輝かせながら満面の笑みで言う香留
……でもその背後から
「ね、ねぇ香留…」
「ん?」
「アレは…?」
「あ……忘れてた。アレどうしよ…ナナ」
ドシドシと力強く歩く姿を、私と香留は冷や汗を流しながら見つめた
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