……………?

暗くてよく見えないが、家の壁に寄り掛かる人影が見えた


もしかして、この人が…?

謝ろうと近づいた


でも………


「誰が幽霊だ。殺人容疑で警察に突き出すぞ」

「え…?」


近づいてくる人影

私は足を止めた



殺人容疑…?

…っていうか…この声


「ちゃんと前見ろよ」

「…陽介くん?!」


落ちたバッグを叩きながら睨むその姿は、まさしく怒っていた


「ごめん!だ、大丈夫?怪我してない?!」

「してねぇよ。ギリ避けたから」

「そっか…よかった……」

「よかった…じゃねぇよ。俺じゃなかったら当たってたぞ。」

「うん……だよね。気をつけます」


でもよかった……

怪我とかしてなくて安心したよ


陽介くんは私を通り過ぎ、連の横にいった


車を眺める陽介くんは私に視線を移した


「これ運転すんの?」

「うん、連をコンビニまで連れていくの」

「ふーん…。なぁ弟、たとえ遠くても自分の命のためにも歩いて行った方が身のためだぞ」


「え……あ、はい」

「ちょっと!どういう意味よ!!」

連の肩を抱いて、自信満々な顔をする陽介くん

連もなんで返事するのよ…!


「意味なんてお前が一番分かんじゃねぇの?ま、お気の毒に。さようなら」


「な……!」


一瞬笑った陽介くんはスタスタと条地家に入っていった



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