昼休み、私は一人で弁当を食べる場所を探していた

食堂も中庭も屋上も、人でいっぱい


んでもって教室での食事は、なぜか禁止なんだ…


弁当の入った手提げを片手に探し回ってると、グランドの横の方にベンチが並んでいるのを見つけた

グランドには人がいないし、校舎からも見えない


大きな木が影をつくり、なんともグッドポジション♪

夏の風が、座った私の髪をなびかせた


「香留にも教えてあげよ。この場所」



S大に来て一日目

早くも、自分の定位置が決まったことに少しホッとしていた



しかし………ー



「ねぇ、そこのあなた」

……?


後ろから声がして、振り返った


視線は私に向けられ、腕を組みながら寄ってくる


見たこともない女の人だった

「………」


茶髪でロングの巻き髪

背は高く、モデルのような歩き方

その迫力に私は身を引いてしまう

………誰?



「あなた、陽介と知り合いだそうね」

「はい?」

横に座った女性の、いきなりの発言に私は疑問で返した


そして私の顔をマジマジと見始め


………薄く笑った