こんな猪突猛進で自由爛漫な香留でも、私からしては大切なひと
まだまだ香留との時間は浅いと思うけど、それでもここまで分かり合えてるのは…
きっと今までの時間が二人にとって貴重なものとなっているからだと思う
私は笑顔でこう言った
「いつでもこうやって会ってさ、これからもたくさん話そうよ」
すると香留は
"はっ…!"
と、何かを思い出し私に目線を移した
「私もS大に行く!」
「え!?」
「だってさ……、ねぇねぇ私もおじさんに頼めないかな」
「ちょっと香留ぅ(汗)………そんなの無理だよ」
香留の気持ちは嬉しいよ
嬉しいけど、香留までS大に行かなくたって…
「私も陽介くんと同じ大学に行きたいの!」
やっぱそれかい!!!
「あのねぇ‥」
「ナナだけズルいよ‥、私も行ーきーたーいー!!」
ズルいって言われてもな‥
別に私はアイツに会いたくて行くわけじゃないし…‥
仕方なくなんだよ
「S大に行ってどうするのよ。何千人といる生徒の中で、陽介くんに会える確率なんて低いよ。それに、おじさんだって困るでしょ‥」
なんか嫌だな‥
そこまでして陽介くんに必死な香留‥
あんなやつに負けたのかと思うと‥‥
「会えるよ!っていうか探すもん!S大に行けたら毎日毎日探して、そして…フフ…毎日陽介くんのこと眺めるの」
うっとりと話す香留
…だめだこりゃ
香留はもう、最低男に振り回されてる…‥
……あ
私が陽介くんに言われたこととか話したら、ちょっとは変わるかな…
"えー!?最低!!"
とか、なるかな…
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