「七元くん?」

「条地くん!」

「おお!七元くん!引っ越しは終わったのか?」

「おかげさまで無事終わったよ。遅くなってすまないね。早く家族を紹介したくて」

「あぁそうか。わざわざありがとう。どうぞ中に」

「いやいや、今日はここで。条地くんも疲れてるだろ」

「そんな遠慮するなよ。さ、どうぞ」

「あぁ…じゃあ少しだけ。みんな上がらしてもらおう」


この人が父さんの知り合いで、S大の理事長か…


雰囲気はある…



私たち四人は静かに


輝く豪邸に入っていった



「どうぞどうぞ」


条地さんが大きなリビングへと案内してくれた


「条地くん。この度は本当にありがとう。子供達の学校までお世話になってしまって…」


「そんなかしこまるなよ。古くからの仲じゃないか。昔はよく遊んだもんだ。懐かしいな。これからはお隣り同士、仲良くやっていこうじゃないか!!」


「条地くん…感謝するよ」


少し潤んでる父さんの目


素敵な知り合いがいて幸せだね、父さん。


「七元の妻でございます。この度はありがとうございます。これからは条地さんに恩返しのつもりで交流させてもらいますので…」


「奥さんまで…、そんな大したことしてないんだから、二人とも頭を上げてくれよ。ほら見てみろ、お子さんが唖然としてる」


いや…

条地さんの発言に唖然なんです…

十分、大したことしてくれましたよ。



あ、私もお礼言わなきゃ…