「…開いてない」
ドアには鍵が掛けられ、開かなかった
「やっぱり開いてないか…」
これは想定内
ここに鍵が掛けられていることによって、香留の期待は大きくなる
私が来た時の奇跡は、間違いなく現実だった…ってことが今、証明されたから
「中に誰かいるような気配する?」
あくまで小声で話す
香留はドアに耳をあて、中の音を聞き出そうと真剣な顔つきになった
「……………なにも聞こえない」
「そっか…。今はいないのかもね」
「…だね。また放課後に付き合ってくれる?」
「もちろん」
…って、さっき強制的に付き合うように言ったの覚えてないんかい…っ!
………汗。
引き返そうと階段に向かって歩きだした時、
パタ…パタ…パタ
階段から、上ってくる足音が聞こえてきた
「だ、だれか来てる!?」
「シーっ!」
階段を上ってくる足音は徐々に大きくなっていき、それを上りきってしまうと今私たちがいる廊下に来てしまう
まさに
私と香留の姿は丸見え
逃げも隠れもできない状況に、香留はなぜか私の後ろに隠れた
この廊下は理事長室と開かずの間の二部屋しかなく、柱さえもない空間
………誰?
まさか………
………………陽介くん……?!
その足音は
ついに
―――――――ピタ。
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