「どうしたの?」


「今から隣に挨拶しに行くぞ」


「今から?!もう遅いし、明日にすればいいじゃん。疲れたよ‥」


「さっき帰ってきたみたいなんだ。引っ越しが終わったことを報告しなきゃな。みんなのことも紹介したいし、お礼も言わないと。こういうのは早めがいんだぞ」


「分かってるけど‥なんでお礼するのよ‥」



さっき帰ってきた、って…

隣人さんのことのぞき見してたの?


疲れてる頭で考えたって、父さんがなにを言っているのかサッパリだった


「あぁ、そうか。言ってなかったな」


「……」


「父さんの知り合いな、すぐ隣に住んでるんだ。ここは離れとして使ってたらしいぞ。ちなみにS大の理事長だ。」


え、え、えす…‥S大の理事長ぉ〜っ?!


やっぱり格上の知り合いだったんだ…



想像してたのを遥かに超したよ

だから簡単に私がS大に…‥


それなら早くお礼言わなきゃ


家から20歩ほどで到着したお隣りの家


【条地】

堂々と飾られた表札を見つめ、上に向かって家を眺める


はは…

これはまた素晴らしい…


見たこともない[城]と言っても過言ではない家を目の前にした私はすでに頭がパンパンだった…(゚_゚


門に設置されたボタンを押し、数秒待つと中から誰かが出てきた



お隣りなのに、家と家が大きいからか歩く距離が長い



そして玄関から門までも距離がある



自分の当たり前を遥かに超えてる現実に、夢じゃないかと疑った



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