「とりあえず今日は終わろう。母さん、みなさんにコーヒーでも出してくれ」
「えぇ」
一時間も掛からず、荷物は全て家に入った
まだまだ片付いてないけど続きは明日
もう今日は休もう…
引っ越しセンターの人たちも疲れてるよね
こんな夜まで仕事なんて始めてなんじゃないかな
大変だよね
みんなでコーヒーを飲んで、引っ越しセンターの人たちは帰っていった
私と連はそれぞれ自分の部屋に行き、新しい家を物色する
しかし…ほんとデカイな…
早く慣れたいけど、当分この広さや環境に慣れるのは時間が掛かりそう
「凜〜!呼んでるぞ!下行こうぜ!」
「あ、うん!!」
連は私のことを呼び捨てで呼ぶ
慣れてるからいいけど、初めて聞く人は"弟にバカにされてる姉"って思われるんだよね…
ま、なんでもいんだけど。
実際、連よりバカだし…
部屋からリビングまでは少し距離がある
部屋の数も4人暮らしには勿体ないぐらいある
家の中なのにお互いに叫んで話さなきゃいけないなんて…‥
いい迷惑な家だよね‥
ん‥?
階段を降りようとした時、一つだけ色違いの扉を見つけた
端っこにあるその扉が気になったが、「凜!?早く来て」 という叫び声で、扉を開けようとした手を止めた
.