「みなさん、おはようございます。さっそく始めますよー♪では昨日集めたレポート返します。それぞれ良く書けていましたね−−−‥」
1限目は女の教師
半数の男子は目を輝かせ、半数の女子は目を尖らせている
黒と紫のお洒落なスーツに身を包み、10㎝はあるとみられるパンプスでコツコツと音を響かせ歩く
見た目20代
実齢34。
得に色気をさらけ出しているわけではないが、なぜか女の敵として扱われている
「よっ!」
ボケーっと、いらないことを考えていると、いつの間にか隣には亮がいた
「…なんか用?」
ついキツイ口調になる
「なんか用って…。今日も厳しいねー」
そう笑いながらも、ちゃっかりと横で授業を始めた亮
ふと矢島華子に目をやると、楽しそうに満面な笑みを浮かべていた
私の視線を感じたのか、振り向いた矢島華子は私にピースサインで喜びを表した
ピースサイン……
軽く微笑み返すと、矢島華子はもとに戻った
「ねぇ」
「ん?」
「あの子の所にいなくていいの?」
「あの子?」
「朝の女の子」
矢島華子の方を指で指すと、亮は苦笑いした
「ああ…遠慮する…」
「え…なんで?仲良く話してたじゃん」
少しふざけた口調で言ってみた
「別に仲良くなんか………って、もしかしてナナ…ヤキモチっ?!仲良くしてたの気になる感じ?なら言えよ〜!」
「‥ばかじゃん」
「ば、ばか‥‥?言い方キツイよなぁ‥」
「どーも」
「褒めてねぇし!」
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