"我が家"


そういう父さんの言葉に、みんなは目を輝かせた


「素敵じゃない」


「でっけー‥」


「……‥」



新しい家を前に、家族四人はそれぞれ感想を言った


私だけ言葉が出ない


「よし、さっそく荷物を入れるぞ。遅くなったし、とりあえず適当に中に入れとこう。」


父さんの言葉でみんな一斉に動き出した



…‥っていうか‥


ここって…


いわゆる…‥その‥


高級住宅街…ってやつ?



今、私の目の前にあるこの家は、前の家の5倍はあると思う巨大な建物だった


周りの家もとにかくデカイし、道も大きな坂になってて見た目も広い


「父さん、本当にここ?なんか場違いじゃない?」


「合ってるよ。いいから凜も自分のもの中に入れなさい」


「あ…うん」



なんだかよく分からないけど、やっぱり父さんの知り合いって人、とんでもない人かも…‥


S大は推薦で入れるし
しかも顔も性格も知らない他人の私を簡単に…


家もこんな巨大な家を貸しちゃうし


…きっと父さんの仕事も…‥


‥なんか匂うな‥(-.-;)




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