花が咲く頃にいた君と

日高はあれじゃ納得しなかった。


当たり前にあたしを問い詰めて来たけど、予鈴が鳴って、HRが始まったために、なんとか日高から逃げ出せた。













3限の終わり、どうやら寝てたらしい。


枕にしていた腕が痺れて動かない。



「冬ちゃん、おねむんとこ悪いけど…」

「悪いと思ってるなら、話しかけるな」

「何か俺たちの時だけ、言葉キツくない?」


眠さに眉を顰めた。


周りの女子は相変わらずあたしを睨んでる。


こんな奴のどこがいいんだろう。


柊のニタついた笑み。


あきらかに屈折した、心が表に出てる。


そんな奴の表情は他の生徒には見えない。

みんなに背を向けて、あたしだけが念のこもった眼差しをいっぺんに受けなくちゃならない。


「当たり前、何であたしが優しくしなきゃならない」


眠さにではなく、柊の表情により眉間にシワが寄る。


「ふゆちゃんが寝てる間に、伊吹が呼び出されて」

「そんなのあたしのせいじゃないわよ」

「わかってる。そこで言っちゃったわけよ」



“俺らの特別は、冬城結女だけ”



耳元に落ちてきた言葉


見上げた柊の顔があまりにも近い。



つり上がった口角が、あたしをバカにしてる様だった。



もう、文句なんて出ない。



意味のわからない泥沼に、どんどん填まっていく。