花が咲く頃にいた君と

突き出した手、固まったまま動かせなかった。



「お釣りの9千25円です」



乗せられたお釣り、恐る恐る見上げた。


にっこりと貼り付けられた笑み。



同じクラスではあるけれど、関わったこと、話したことは一度もない。



ただあたしが知ってるだけで、柊はあたしの存在は知らないのかもしれない。


あたしが東向日の存在を薄く感じた様に、柊からしたらあたしの存在は薄いはずだ。


きっとそうだ。そうに違いない。




「おはよ、冬城さん」




向けられた笑みは、何かを企んでいた。



「おは、よ」

「何だか、援交してるみたい」


顔が強張るのを感じた。


袋詰めされたあたしの朝御飯をひったくり、衣夜さんの腕を掴んで慌ててコンビニを出た。