花が咲く頃にいた君と

高級住宅街を抜けて、大通りを一本挟んだ向かい側に、コンビニはあった。


信号を足早に渡って、コンビニへ滑り込む。



昨日から食べてないから、軽くおにぎり3つはいけそうだ。



おにぎり1つと菓子パン、サンドイッチを持ってレジに並んだ。



前にはスーツ姿の男の人。


どっかで見たことのある感じがした。



けど興味もないので、深くは追求しない。


その人がレジを終え、入れ代わりで商品をレジに置いた。



「ふゆちゃん」


腕をグッと引かれて、見上げる。



いつもの営業スマイルで、その人はあたしを見ていた。



「衣夜さん」


日が上って居るときに会うのは初めてで、少し違和感を覚えた。



「ふゆちゃんのセーラー服姿ってなんか、変だね」


クスクス笑う衣夜さんに、あたしは小さく笑って首を傾げてた。


「それなら衣夜さんだって。コンビニなんて来るんですね」

「酷いな、ふゆちゃんの中の俺ってどんなイメージ」


衣夜さんは笑いながらも、あたしの後ろに目を向けた。



「すまないね、店員さん」


衣夜さんはスマートに財布を取り出して、諭吉を差し出した。