花が咲く頃にいた君と

昨日、東向日の隣に少し距離を置いて座った後。


マグカップと一緒に差し出されたのは、金の包みに包まれたチョコレート。


何気無く受け取って、口に運ぶ。


「うまっ!」



思わず呟いてしまうほど、それは美味しかった。


「これ、僕の大好物」



東向日の優しい声、綿菓子の様。


揺れた前髪から覗く瞳、もっと見ていたいと思った。



「ねぇ?うっとうしいよね」


東向日の前髪に、視線はロックオン。



思い立ったらすぐ行動。


めんどくさがりなあたしだからこそ、それがモットー。



「えっ、何が?」


チョコレートを頬張る姿は、小動物さながら。


「その前髪」


あたしは一度の瞬きもせずに、前髪だけを見つめ続けた。



「そんなことないよ」

「そんなことあるよ」



一応、東向日の言葉は聞いているけど、あたしの中では既に決定されていた。



「結ったげよう」