花が咲く頃にいた君と

「距離が近い、よ?」

「だって、君が顔を隠すから」

「東向日の言葉が‥‥‥プ、プ」

「プ?」

「プロポーズみたい」


あたしの言葉に物凄い音がして、東向日が遠退くのを感じた。


ベッドのスプリングが揺れて、あたし一人分の重さだけになった。


ちらっと東向日が居るであろう方を見る。



東向日は白磁の肌を真っ赤にして、口元を片手で覆っていた。


乱れた髪からは、真ん丸く見開かれた瞳が見えた。


「そんなつもりじゃなくて、あの、えっと…」

「恥ずかしいでしょうよ」


瞳を細めて、東向日の表情を伺う。


「うわっ!もう、今の忘れて、無し無し無し!!」


東向日はようやく理解したのか、ぶんぶんと手を振って、自分の恥ずかしい発言に気絶寸前だ。



東向日の大きな声を聞いて、あたしの恥ずかしさはちょっと減った。