花が咲く頃にいた君と

ここまでくれば代々分かる。


東向日はここの関係者。

あたし同様、ここの“若旦那様”とやらに買われたんだろうか。



聞きたいと思ったけれど、もしかしたら触れてはいけない部分かもしれないし、あたしがずかずか入り込める話ではなさそうだから、それを話題に上げることはしなかった。


「うん。決めたよ。とってもお月様が美味しそうな部屋」

「へ~。そんな部屋があるんだ」


東向日は少し驚いた様な顔をしたけど、依然優しい笑みを浮かべたままだ。



「けど“若旦那様”に話をして、家に帰してもらおうと思う」


その時だった。


数人の足音がバタバタとこちらに向かってきて



「若旦那様!」



って声と共に部屋に入って来たのだ。