花が咲く頃にいた君と

天パなのか寝癖なのかわからない漆黒の髪。


目を隠す様な前髪に黒渕眼鏡。


白磁の肌と、細長い身体。


よれよれのカーディガン。



幽霊に間違えるのも無理はなかった。



「えっ!?幽霊!」


あたしの叫び声に、目の前の幽霊も同じく驚いて辺りを見渡した。


「幽霊はお前だろ!!!」


あたしは幽霊を指差して叫んだ。



「えっ、僕!?」


幽霊も自分を自分で指差して驚いていた。


そんな騒がしいやりとりをして気がついた。



「あれ?東向日!?」


幽霊あらため、クラスメイトの東向日、何故か彼が目の前にいる。


「もう、びっくりしちゃったよ」


彼は怒るどころか、楽しそうに笑った。