花が咲く頃にいた君と

近くに気配を感じた。

だけど、それが本当に人なのかは分からない。



けど目を開いて確認する勇気もない。


あたしは目を瞑ったまま、耳を塞いでいた両手を放した。



膝を抱えるあたしのすぐ上で、ハァハァと荒い息遣いが聞こえた。


ダ、ダメだ。
完全に今目を開いてはいけない。


あたしは心中動揺しまくりながら、抱えた膝を限界まで抱えた。


「貴方は、人間ですか?」


何て間抜けな質問だろう。


自分でも笑ってしまうけど、これが一番いい方法だと思った。


すると途端に吹き出す声が聞こえて、あたしの力が少し抜けた。


「はい、人間ですよ」



笑いを含んだ声。


どこかで聞き覚えがあった。



ゆっくり瞼を上げると、薄暗い中でもその人をしっかり確認することが出来た。




「ぎゃーーーー!!幽霊!!!!!!」




確認したその人はまさに幽霊だった。