花が咲く頃にいた君と

正直今すぐ引っ越したいよ。


だって、風呂は狭いしトイレは汚いし

台所の床は軋むし

水道はどんなにきつく閉めてもやっぱり水漏れするし

畳も痛んでる

窓だって…



挙げ出したらキリの無いボロアパートの欠点。




けど、やっぱりやだよ。


だって、ここは…



「そんなお金家には…」

「有る。そんくらいの余裕」



「でも、だって…」



あたしは制服の裾を握り締めて、俯いた。


「お母さんの思い出が詰まってる。

それにここだけが、お母さんとあたしの唯一繋がった場所…」

「鏡、見てみろ。結女はあの人の生き写しだよ」

「違う!そんな事が言いたいんじゃない!!」