花が咲く頃にいた君と

それから直ぐに、東向日 の娘の行方を捜した。


そして、知った。



彼女は既にこの世に居ない。


そして変わりに残されたのは、娘の“結女”だということ。



彼に言うべきか迷ったが、憎悪の感情が先走って口は勝手に開いた。



いつもと同じ。


ベッド上、点滴を刺した彼は、俺の言葉に


「そうか」


と答えるだけで何も反応しなくなった。



胸が抉られるような感覚に、言葉は続く


「貴方には“孫”が居ます。女の子です。名前は“結女”」


『ゆ、め?』



彼のカサカサな唇がゆっくりと動いた。

噛み締める様に、吐き出された言葉に

彼の瞳から止めどなく滴が流れた。



茶褐色の肌を流れる涙は、もう何年も流していなかったようで

枯れた頬を、潤していった。



『私は老い先短い。孫を連れてこられたのなら、全財産をお前にやろう』

「はい」



それから少し遅れて、俺は“冬城結女”の通う高校へ入学した。